中1ギャップって何? 対策法は?

シェアする

目次

2020.01.09

  • シェアする

1.中1ギャップってどういう意味?

「中1ギャップ」という言葉をご存知でしょうか。中1ギャップとは、小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活とは異なる新しい環境や生活スタイルなどになじめず、授業についていけなくなったり、不登校やいじめが起こったりする現象のことです。

ただし、中にはギャップをあまり感じずスムーズに新しい環境に適応できる性格の子や、小中一貫校など中学生になっても生活環境にほとんど変化のない子もいて、中学生になった子ども全員に必ず起こるものではありません。また、もし起こったとしても、その度合いには個人差があります。

2.中1ギャップはなぜ起こってしまうの?

中1ギャップの原因である、“新たな環境に順応できない”という状況。これは、小学校と中学校の間にある、様々な違い(ギャップ)から発生するものです。どのようなギャップがあるのか、主なポイントを見ていきましょう。

■勉強面

まず、小学校と中学校では授業のスタイルが大きく変化します。教科ごとに先生が変わる、学習内容が幅広くなり授業のスピードも速くなる、学校によっては定期テストの順位が出されて同級生との学力差が具体的な数値で明らかになる、といった変化が挙げられます。

また、小学校までは全員が授業内容を理解してついてこられるよう先生が配慮してくれていましたが、中学生になると急に自主的な勉強が求められるという違いに戸惑いを覚える子もいるようです。

■文化の違い・人間関係

小学校と中学校では校内での文化も大きく異なります。毎日制服を着用する、細かくて厳しい校則がある、1~2学年上の生徒が先輩になる「縦社会」に変貌して上下関係ができる、部活動によっては練習に追われる、といった大きな変化があります。

また、他校出身の生徒たちと新しい人間関係をつくらなければならないというストレスや、「中学校でも友だちができるのだろうか」という不安を抱く子もいるようです。

3.中1ギャップの家庭での対処法は?

子どもが中1ギャップに陥ってしまった時、家庭ではどのような対処ができるのでしょうか。実際のところ、中1ギャップはお子さん自身の問題であり、最終的にはお子さんが自分で乗り越えるしかありません。だからといって保護者にできることが何もないわけではありません。

保護者にできることは、子どもが中1ギャップを克服できるまでとことん寄り添うことです。まずは子どもの様子をじっくり観察し、子どもがくつろいだり、安心して悩みを打ち明けたりできるような、リラックスした空気を家庭内につくりましょう。

そして、子どもが自ら話し始めた時には、その気持ちを理解し、受け止めてあげてください。なお、「授業についていけないの?」などとむやみに聞き出すことや、子どもの考えを否定する、といった対応は避けた方が良いでしょう。

家庭内での解決が難しい時は、先生と情報を交換しながら子どもをサポートするなど、学校との連携も視野に入れてみましょう。

4.中1ギャップを防ぐにはどうしたら良い?

中1ギャップは家庭での対策で事前に防ぐことができる場合もあります。

まずは、中学校入学前に家庭学習の習慣をつけておくと良いでしょう。帰宅したら夕食前に宿題を済ませるなど、自学自習ルールをつくって定着させておくと、中学生になって自主的な勉強が求められるようになってもスムーズに対応できるかも知れません。

また親の中学校時代の体験を語るなど、中学校がどんな場所なのかを事前に話して、子どもに心の準備をさせておくのも良いでしょう。

加えて、中1ギャップに陥ってしまった時の対処法と同様、子どもが家庭内で話しやすい雰囲気をつくっておくことが、事前対策としても大切になってきます。子どもは中学生になると、小学生の頃に比べ、悩みを自分一人で抱え込む傾向があるといわれています。些細なことでも親子で気軽に話し合える家庭環境をつくっておくことで、もし問題が起こりそうになっても、深刻な事態になる前に対処できるかも知れません。

中学進学を目前に控えたお子さんがいらっしゃるご家庭では、まずは「中1ギャップ」という現象が起きる可能性があることや、その対処法を念頭に置き、進学準備を進めてみてはいかがでしょうか。

その他おすすめコンテンツ

コンテンツカテゴリ