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課題を解決し、win-winが成立するビジネスであること。 海外事業の可能性を、語る。

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新興出版社啓林館

写真は、左が岡村、右が佐藤


 

 

啓林館の教材を、モンゴルへ。
バングラデシュの英語力を、日本の教育に。
新たな扉を、世界で開く。

 

岡村:JICA の委託事業に携わったのは、2016 年からです。それより前から、日本の通信制高校向けに「教材+解説動画」をセットにしたコンテンツを制作していたのですが、そのご縁があって、制作システムの会社に同行してモンゴルの私立高校へ提案に行きました。その高校は、日本の教科書を使ったりして、日本式の教育を看板にしている高校でとても興味を持っていただきました。このことが、たまたま日経新聞の一面に取り上げられたんです。その記事を見た海外事業を企画されている方と知り合い、次はパングラデッシュでやりましょうか、とだんだん広がっていったんですよね。

 

コンテンツ クリエーション事業部 部長:岡村 俊紀


 

佐藤:私はそんな岡村さんに巻き込まれて(笑)海外事業に携わることに。最初は、JICAの案件化調査の下見をしにフィリピンに行ったり、バングラデシュも受験熱がすごく高いということでそこで新たなビジネスができないかと視察に行ったり。バングラデシュ案件では3社でタッグを組んで、スキルやアイデアを持ち寄りながら形にしていきました。海外向けの新規事業なんてすごくエキサイティングだったのでどんどん熱が入ってきて、気づけばこれがほぼ本業になってきています。

 

岡村:残念ながら最初に考えていたバングラデシュでのプランは実現しなかったんですが、何か別の事業ができないかといろいろ模索を続けて、今の「英作文添削サービス」が形になったのは本当に私も嬉しい。これは佐藤さんがメインで進めてくれてますが、かなり育ってきましたね!

 

佐藤:そうですね。バングラデシュの英語が優秀な学生に、日本の高校生の英作文を添削してもらう当社の英作文テキストを使ったオンラインサービスなんですが、今100人くらいの添削者が稼働しています。彼らは非常に優秀なんですが、バングラデシュ国内にはアルバイトの仕事さえないという社会課題があって。アルバイトがあっても交通渋滞がひどくて通勤できなかったり、イスラム教なので女性は夜出歩けないといったこともあり、オンラインで仕事ができるのはとても理に適っているんです。だからといって、決して安い労働力として使っているわけではなくて、ビジネスとしてシビアに質を求めています。適当な添削をしたり添削の締切が守れない場合は次の仕事は依頼しませんし、かなり厳しく指導しています。もちろん賃金もしっかり払ってます。この仕事で大学の学費を払ったり、生活費を自分で賄えたりしている人もいます。

 

 

岡村:海外事業では、海外のリソースを使って日本で売上を上げるという事業と、こちらのリソースを使って海外で販売をする事業の両方をやっていますが、このバングラデシュでの英作文添削サービスのように、海外のリソースを使って日本の子どもたちが勉強できる事業が少しずつ形になりつつありますよね。

 

佐藤:このサービスによって、日本の高校生は苦手な英作文を添削によって学べるし、日本の高校の先生は仕事の負担が軽減されるし、バングラデシュの学生は仕事を得るだけでなく日本の高校生を指導することもできる。当社も、教科書だけでなく、そこから派生する商品開発ができている。こんなふうにいろいろなwin-winが成り立つビジネスをしたいと思っています。それぞれの課題を解決できるビジネスを、世界を舞台にたくさん開発していければ、途上国支援や、貧困や教育の課題解決、SDGsの達成にも繋がっていくので、そうした意識を持ちながら取り組めている事例かなと思いますね。

 

 

 

フィリピンの数学力向上に挑む!
ビジネスの先に、変化・成長がある開発を。

 

岡村:バングラデシュに行くことになったときに知り合ったNPO法人e-educationさんとの出会いが、やはり大きかったですね。日本の算数・数学教育は、海外の教育に貢献できる可能性があるということ、そして、JICAに途上国の課題解決に貢献するようなビジネスモデルの策定を中小企業に委託する「案件化調査」という事業スキームがあることを教えていただいて。当社の教材を海外の子どもたちのために役立てられるなんて考えたことがなかったので、ぜひチャレンジしてみようと思い、いろいろと一緒にアイデアを練っていただきました。いくつか企画した中で、結果としてフィリピンでの案件化調査が採択されました。フィリピンでは特に数学教育に課題があることが調査でわかったので、啓林館のテキストとそれを動画にしたデジタル教材「スマートレクチャー」を使って勉強してもらうことにしました。すると2週間で、平均50点だったのが平均90点以上にまでアップ。暗記学習のみだったところに、考え方をしっかり説明して概念から理解できる教材を取り入れたことで大きな結果が出ました。次は、通年の授業で使えるテキストでやりましょうということで事業が進んでいます。

 

 

佐藤:それを今、私も一緒に取り組んでいます。フィリピンは国際的な学力テストでも極端に数学の点数が低くて下から何位か…という状況なんですが、私たちの事業を通じてフィリピンの数学力向上に役立てたらと思っています。フィリピンの若者たちはネイティブ並みに英語が話せるので、そこに数学力がつけば産業人材の育成にも繋がっていきますから。

 

岡村:ただ、バングラデシュの事業とは反対で、こちらの商品を途上国に買ってもらうという市場に参入することはかなりハードルが高いんですよね。

 

佐藤:当社も教科書を取り扱っているとはいえ民間企業なので、利益を出す「ビジネス」をする必要があります。その利益を出すうえで、何らかの課題解決になって、関わる人・企業が誰も損をせず、お互いにwin-winであるという条件も大切に。買ってよかった、売ってよかった、つくってよかったと思える商品・サービスでないと、いいものとは言えないですから。そのビジネスの先に変化や成長があるものにこだわって開発していきたいと思います。

 

事業企画部 次長:佐藤 圭悟


 

岡村:次は南アフリカ共和国での案件化調査がまもなく始まります。国ごとにいろいろと課題や環境は異なりますが、また新しい事業の可能性を広げていけるのが楽しみですね。

 

 

 

 

グローバルな視点で、未来の課題解決を考える。
「新たな柱」となる事業に育てていきたい。

 

佐藤:教育業界だけでなく日本全体の課題でもありますが、少子化が進むことで市場が縮小し、同じことをしていても当然利益は減っていきます。会社を存続させていくためにも、当社の新しい柱となる事業をつくっていきたいと考えています。新規の取り組みももちろん続けていきますが、その新規事業を既存事業にしていくのが目標です。新たに始めたものをきちんと定着させて、きちんと伸ばしていく。それが、いろいろな人の課題解決になる。そういうことをやっていきたいですね。

 

岡村:私も、同じ気持ちです。新たな事業の「土台」がつくれたらいいなと思っています。社会的な意義で考えると、海外事業を展開することで現地に雇用を増やしたり、日本はこれからどんどん人口が減ってくるので、海外の人材を日本に紹介したりするような取り組みも何かできたらいいなと考えています。日本で仕事をするためには日本語教育も必要ですし、ビジネスにおける基礎的なスキルを勉強できるサービスなども可能性がありますね。海外事業には、いろいろな可能性があると思います。日本と海外でお互いに持っているものを活かしあって、一緒に未来を切り拓いていけるビジネスをつくっていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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